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第4号報告書



◆報告書要約


 第4号報告書では以下5項目について記載する。 ]
項目1[活動の進捗状況]
項目2[課題解決に向けた取組み・進捗・結果]
項目3[活動事例の紹介 成功例・失敗例] 失敗事例として「OSS(オープンソースソフトウェア)の活用」
項目4[受入国の人々の変化(活動のインパクト]
項目5[その他特記事項] 選択項目⑥他事業との連携状況  

 項目1では現在の活動の進捗状況について記載している。これまでに行ってきた研修の累積結果と今後実施予定の地方在住者向け研修の準備状況について記載している。
 項目2では第3号報告書に記載した課題への対応状況、解決のために実施した内容、結果について記載している。
 項目3では活動の中での失敗事例といえる「OSSの活用」について記載している。成功事例は無いので記載していない。
 項目4では受入国の人々の変化(活動のインパクト)について、活動による周囲の人たちの変化と日本や日本人に対する意識について活動や日常生活の中で得た実体験を元に記載している。
 項目5では選択項目⑥他事業との連携状況を選択し、2016年2月にアドバイザーとして協力したラオス国立大学工学部IT学科でのアイデアコンテストについて記載している。

 第3号報告書を出した2016年1月から本報告書提出の6月までの期間は、自身の活動に彩りのようなものが加わった期間だったのではないかと振り返る。配属先での活動に加え、ラオス国立大学工学部でのイベントの手伝いを行ったり、関係者との関係を持つことによって自分自身の活動の幅を広げられたように思う。また、自分の得意とする分野での貢献が認められたことはとてもうれしく、自身の活動においても大きな励みになった。それらの経験を元に自分自身の活動の結果がより多くの人に受け入れられ、認められるよう最後まで継続して努力していきたいと思う。そのような活動18ヶ月目までの活動の様子を感じてもらえるような報告書となれば幸いである。

◆項目1.活動の進捗状況


 活動内容についてこれまでと大きく異なることはなく、配属先にてIT技術に関する研修を実施している。1年目までの実施内容に加え、2016年2月から5月までの期間に研修を実施し全日程を終了している。その実績を加えた累積の結果は以下の通りである。
 【総授業実施日数】127日
 【総受入受講者数】88名
 【総授業実施時間数】506時間

 実施教科についてこれまでに8教科分の教材を開発しており、独力のみで授業を実施できる状態を保っている。アンケートによって得た回答から新教科に対する需要もあり、現在新たにデータベースに関する教材開発を行っている。 また、通常実施している研修とは別に、地方在住者向けの集中研修を実施してほしい要望があり、実施に向けて準備を進めている。これまでに実施計画、カリキュラムの作成を配属先と話し合いながら行い、同僚を経由して配属先上層部に情報共有をしながら準備を進めている。その研修において、これまで作成している教材を印刷物として提供したい要望も伺っており、内容の校閲、製本などの作業を配属先と協力しながら進めている。2016年7月4日の研修開始を目指している。

◆項目2.課題解決に向けた取組み・進捗・結果


 第3号報告書で

 a)学習内容の改善、拡充
 b)ボランティア自身のラオス語語学力向上

 の2点を課題とし、解決、改善を図るべく活動を行ってきた。

 a)に関しては、ラオス語の誤表記、間違いの修正などを行ってきたが、自身の力のみではできない部分もあり思うように進まなかった。項目1の準備に伴い、現在、同僚と協力して改善を図れるよう作業を進めている。 また、それ以外の取組みとして、教材閲覧用webサイトの構築と電子書籍化を行った。従来の印刷資料の配布と印刷代のみ徴収する有料提供を廃止し、教室にあるサーバーを活用して、教材閲覧用のwebサイトを構築して電子書籍化した教科書を閲覧できる仕組みを作った。これにより、無償で教材を提供し授業実施が可能な体制を整えている。

 b)については、定期的に発音の練習や語学研修での学習内容を復習するなど意識的にラオス語の学習に取組み、同僚や周囲の人たちとなるべく多く話す機会を作り、改善に取り組んできた。直近の授業時のアンケートの結果では前回と比較すると自分の語学力に関して酷評の意見が少なくなってきており、効果が見られたように思う。


◆項目3.活動事例の紹介 成功例・失敗例


 活動で成功事例は無い。失敗事例として「OSSの活用事例」を紹介する。 アドビフォトショップを用いた画像編集の技術習得への要望が非常に多く、要望に対応するべく授業を行った。しかし、ラオス国内には海賊版しかなく、それらはインストールの手順が複雑で教室の全端末への導入が困難であった。加えて、自分自身フォトショップの使用経験がない。これらの状況を踏まえ、使用経験があり、無償で使用できるギンプというソフトを代用し、画像編集に必要な技術的概念に関する授業を行った。 結果は不評だった。フォトショップ経験者である受講者が多く、ギンプの操作性の難しさや生成物の品質の低さなどが理解されず、自分自身のフォトショップに関する技術の無さを指摘され低評価を得るのみの結果となった。教材開発に費やした稼動と授業時間を浪費する結果となり結果的に失敗だった。技術顧問から指摘された通り、純正ソフトの代替手段としてOSSを活用することが難しいという現実を痛感した経験であった。日本国内では非合法でも任国においては海賊版使用は合法か関連の法律が未整備である状態が多いので、純正にこだわり無駄な懸念をせずとも海賊版であっても利用できる状況であれば活用すべきである。

◆項目4.受入国の人々の変化(活動のインパクト)


 (1)重要な仕事を任せていただけるようになったことが変化ではないかと思う。2016年6月3日に項目1に記載している研修の修了式を開いていただいき、そこで初めて修了生向けにスピーチをしてみないかと提案され、ラオス語でスピーチを作成し実施した。これまでの間に2回の修了式を経験しているが、そのような提案は初めてであった。これまで活動を行ってきたことにより、少しずつではあるが信頼を得られるようになってきているのではないか。今後も継続して信頼してもらえるよう尽力していきたい。

 (2)について、ビエンチャン市で行われた日本語スピーチコンテストを見学した際の経験であるが、ある出場者が日本のアニメを見ることが好きだという内容のスピーチを行った。しかし、どんなアニメを見るかという質問に対し具体的なアニメのタイトルやジャンルを答えらなかった。スピーチを聞きその人が普段どんなものを見ているのか気になっただけに具体的なタイトル、ジャンルを聞けなかったのは残念だった。日本について情報がラオス国内ではまだまだ得がたく、浅く表層的な見方や理解の人がまだまだ多い現状であるといえる。

◆項目5.その他特記事項 選択項目【⑥他事業との連携状況】


 項目⑥他事業との連携状況を選択し、ラオス国立大学工学部IT学科でのアイデアソンのイベントへの協力とその所感について記載したい。 これは2016年2月24日に上記大学にて、株式会社社会システム研究所(JRISS)様とラオス国立大学との共催で、学生を対象にwi-fiパケットセンサの技術を活用した新しいアプリケーションのアイデアをチーム間で競うアイデアコンテストが開催されたものである。同大学で活動するコンピュータ技術隊員からの紹介でアドバイザーとして協力した。 ラオス国内のテレビ、新聞などのマスコミに大きく取り上げられた他、JICAラオス事務所のFacebook、クロスロードにも掲載され、自身の活動のなかでも非常に貴重で重要な機会であった。 率直な所感は、自身が専門としている技術、経験を最大限に活用して比較的規模の大きなイベントに貢献できたことに充実感を感じ、とてもうれしかった。また、関係者との交流を通してRasbery Piを使ったセンサー技術など新しい技術を知る機会を得られたり、Linuxの技術を活用して行った活動内容を関係者に評価されたりと今後の活動への励みや糧となる経験を得られた本当に貴重な機会だった。

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